芝 からだ・ぶんかラボ

敬意あふれる組織で孤独を解消-そんな組織をつくる七つのささやかな方法


2019年2月22日

「職場の孤独」を解消するにはどうしたらよいのでしょうか?

 

解消策の一つとして、組織内における「信頼の文化」の醸成が大切です。

 

そのような文化をつくるには、すべての従業員を尊重する精神、すなわち「敬意を示すこと」が重要です。

 

今回は働きやすい組織をつくるためのキーワードである「敬意」について、クリスティ・ロジャース氏の論文(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2019年1月号掲載)を参考に考えてみましょう。

 

「敬意」には二つの異なる種類がある

 

組織で働く従業員が価値を見出す敬意には、二つの異なる種類があります。

 

① 生得的敬意

 

これは組織のメンバー全員に平等に示されるもので、受け入れられたいという、誰でも持っている欲求を満たすものです。

 

礼儀正しいふるまいや、メンバー全員が本質的に価値ある存在だということを醸し出す雰囲気によって示されます。

 

② 獲得的敬意

 

これは価値ある資質や言動を示した個々のメンバーを高く評価するもので、成果を認めてほしいという欲求を満たすものです。

 

この二つの敬意はバランス良く示さなければなりません。

 

例えば生得的敬意は十分だが、獲得的敬意がほとんど示されない職場では、従業員が個人的功績を上げることを優先しない傾向にあります。

 

その結果、モチベーションが削られたり、責任の所在があいまいになったりするリスクがあります。

 

一方、生得的敬意は乏しいが、獲得的敬意が十分にある職場では、従業員同士の過度な競争が煽られるおそれがあります。

 

その結果、仕事に関する重要な知識の共有を妨げたり、お互いの足を引っ張り合ったりするような事態になるリスクがあるのです。

 

「敬意」は職場に多大なメリットをもたらす

 

たいていの場合、この二種類の敬意を両方とも十分に示す職場づくりが必要になります。

 

敬意あふれる職場は組織に多大なメリットをもたらします。

 

「尊重されている」と感じている従業員には次のような特徴があるとのこと。

 

  • 仕事に対する満足度が高い
  • 自分の会社に深く感謝し、忠誠を尽くす
  • つまずいても立ち直りが早い
  • 他者に協力的でより優れた成果を上げる
  • 高い創造性を発揮する

 

逆に敬意の乏しい職場はどうでしょう。

 

ある調査によると、従業員の48%は故意に仕事に傾ける労力を減らすのだそうです。

 

しかも無礼な言動は往々にして同僚に伝染し、顧客にまで火の粉がおよぶとのこと。

 

敬意の有無でこれだけ違うのであれば、もはや無視はできないでしょう。

 

敬意ある組織をつくる七つのささやかな方法

 

ではどうしたら敬意に満ちた組織をつくることができるのでしょうか?

 

ささやかですが大切な七つの方法を紹介します。

 

一つ目

 

従業員の多くは、些細としか思えないことで自分の存在価値が認められた、あるいは傷つけられたと感じる傾向にあります。

 

リーダーが単に会釈するだけで、あるいはほめ言葉をかけるだけで、従業員は尊重してもらえたと感じるに十分だということを覚えておきましょう。

 

二つ目

 

リーダーが敬意を示す方法はたくさんあります。

 

例えば重要業務を任せること、助言に対してたえず心を開くこと、独創的なアイデアを追求する自由を認めること、ここぞという場面で従業員の肩を持つことなどです。

 

しかしある部署では効果的なことが、別の部署では逆効果になることもあります。

 

そのことを覚えておきましょう。

 

三つ目

 

リーダーの言動は組織全体に波及します。

 

まずリーダーが手本となって敬意を示しましょう。

 

四つ目

 

獲得的敬意を示す場合、成果を図る基準を透明化しましょう。

 

また獲得的敬意は、報奨金よりも直属の上司からの称賛の言葉、リーダーの心遣い、プロジェクト統括の機会のほうが、より効果が大きいということを覚えておきましょう。

 

五つ目

 

生得的敬意は組織に属する全員が受ける権利があります。

 

また獲得的敬意は、成果を上げた全従業員が受けるにふさわしいことを覚えておきましょう。

 

六つ目

 

わずかな時間をかけて敬意を示せば、大幅な時間短縮となります。

 

フォーチュン1000のリーダーや経営幹部は、礼を失した行為の後始末に年間推定7週間も費やしていると言われます。

 

敬意を示すことは時間の有効活用であることを覚えておきましょう。

 

七つ目

 

敬意を示すという行為に一貫性がなく、行き当たりばったりであれば、害にこそなれ益にはならないことを覚えておきましょう。

 

敬意あふれる組織づくり。

 

従業員の孤独の解消や強い組織のためには不可欠なことかもしれません。

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