芝 からだ・ぶんかラボ

読書・朗読で脳のトレーニング!-脳をフル活用してワーキングメモリを活性化


2019年2月24日

朗読 脳のトレーニング

 

平成31年2月24日、鎌ヶ谷市立図書館にて「読書・朗読で脳のトレーニングをしよう!」という講演を行いました。

 

フリーアナウンサー(元NHK)で十文字学園女子大学教授の好本惠さんとのジョイント講演です。

 

 

読書とワーキングメモリ

 

ワーキングメモリをご存知ですか?

 

ある行動を起こすときに必要な記憶を一時的に保存し、必要なときに取り出すような記憶のことです。

 

会話や読み書き、計算などの基礎となる記憶であり、私たちの日常生活を支える重要な能力と言えます。

 

読書においてもこのワーキングメモリは欠かすことのできない機能です。

 

試しに次の文を読んでみてください。

 

ある日のこと私はお蕙ちゃんがお祖母様につれられ学校へはいってくるのを見て今さらのように胸をときめかせた。中勘助・『銀の匙』より

 

では質問です。

 

①胸をときめかせたのは誰でしょう?
②お祖母様につれられ学校へ入っていったのは誰でしょう?

 

もうおわかりですね。

 

①の答えは私、②はお惠ちゃんです。

 

この質問に答えるためには、ワーキングメモリの働きによって、文章の前段で書かれている登場人物の関係性を覚えておく必要があります。

 

そして文章の後段まで読んだとき、その記憶を取り出すからこそ、主語と述語の関係、出来事の時間的順序、そして物事の因果関係など全体の文脈を理解することができるのです。

 

さて、このように日常生活を支えている大切な記憶であるワーキングメモリ。

 

脳の前頭前野という場所で司っています。

 

しかしこの前頭前野、そのピークは15~40歳くらいまでと言われています。

 

では加齢によってワーキングメモリが著しく低下しているときはどうしたらよいでしょうか?

 

そのようなときは「イメージング」が効果ありという説があります。

 

イメージングとは頭の中に表象を形成することです。

 

そうすると読書などはもってこいの活動ではないでしょうか。

 

読書とは活字情報からさまざまにイメージをふくらませるという行為です。

 

これはまさに頭の中に表象を形成するということになるでしょう。

 

よって読書は、働きが低下したワーキングメモリを活性化する効果が期待できるというわけです。

 

朗読サイクルでいきいきライフを!

 

朗読は前頭葉、後頭葉、側頭葉など脳をフル活用する営みです。

 

東京都健康長寿医療センターでは認知機能を維持するために読み聞かせ活動を推奨しています。

 

読み聞かせとは実演だけがそのすべてではありません。

 

まずはどのような本を読むかを決める「選書」という行為があります。

 

対象がどのような人かによって読む本も違ってくるでしょう。

 

このときあれこれと考えるプロセスが脳を刺激します。

 

次にくるのが「練習」です。

 

どうしたら相手により届く朗読ができるのか試行錯誤するはずです。

 

これも心身を活性化させるでしょう。

 

そしていよいよ「実演」です。

 

うまくいったときの達成感は脳を喜ばせることでしょう。

 

最後に行うのが「ふりかえり」です。

 

今日の実演はどうだったかを反省し、そして次回に活かそうとするはずです。

 

自分の実演を俯瞰して反省するという行為は、高次の認知機能を使います。

 

このように読み聞かせの一連のサイクルが脳にとって刺激となるのです。

 

読書・朗読を始めてみませんか

 

今回の講演では、私が読書・朗読における効果の理論的な側面をお話ししました。

 

そして好本さんの素晴らしい朗読の実演です。

 

参加者の皆さんにも坊ちゃん・おくのほそ道・外郎売などを声に出してもらいました。

 

皆さんの楽しそうな顔が印象に残っています。

 

ここで皆さんからいただいた声のいくつかを紹介しましょう。

 

  • 音読は新聞でやっていますが、本を通してやってみたい。
  • やはり音読すばらしい。
  • わかりやすく、とても楽しかった。

 

読書・朗読は気軽に始められる活動です。

 

皆さんも始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

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